『ノルウェー珍道中』 第8話。
前回のお話はこちら。
やっとここまで話が来ました。
ついに!
ついに!
フィヨルドでの冒険が始まります。
昔、氷河だった所です。
え?と思ったあなた、
詳しくは第6話「地図でイメトレ」のお話をまず。
天気は曇ったり、ざぁっと雨が降ったり。
スタート地点の地図で
アップダウンのイメージをチェック。
この地図は3.8km先の
プレイケストーレンまでのもの。
今日私が歩くのは、16km。
プレイケストーレンを見た後、
途中まで引き返して
10km先の「バッケン」という山小屋まで行く。
歩き始めは割と急な登り坂。 そこから、ゴツゴツとした岩が 樹や澤の間に散らばっている。 大きな岩が多いけど、 なんだかちょうど良い感じに道に置かれている。
後でわかったことだけど、 道の整備をするためにネパールから労働者を呼んで、 この岩で道を作ってもらったという噂が。 え?手で運んだのかな? ネパール人って何者? ザワザワと 団体さんが後ろの方からやって来た。 静かに登るのが好きだから、 お先にどうぞと道を譲る。 が、いつまで経っても 人の波が切れない。 待つのは辞めた。 今度は急いで登ってみる。 私は登るのがそんなに早い方ではない。 それでも、前を歩く人たちのペースが ゆっくりだなぁと感じる事が何度かあった。 だから、岩の上を跳ぶように スイスイと人を抜いていく事にした。 ドラゴンボールで小さい悟空が 訓練してる感じ? うん、よくわからないけど。。。 ところで、 この人の列は いつ途絶えるのかな?
雨が降ったからか、岩の上はどこも濡れていて、
苔生す森は美しかった。
まだ、フィヨルドの入り口なので、
そこまで絶景ポイントではない。
でも時折見える、
遠くのフィヨルドの水面にワクワクした。
それにしても、人が多いな。
どこに行っても、人の列は絶えず、
終いには横幅が2人分ほどの所では
大渋滞ができていた。
「ここは渋谷かっ?
いやぁ、渋谷より人がいるかも知れない。」
とツッコミたいほど、激混み。
なんて事でしょう。
自然の中というより、
土日のデパ地下に居るのと錯覚してしまう。
列の中には、膝や足首が悪そうな年の人もいる。
登山靴で来てない人も。
唖然。
私以上に軽い気持ちで来てる人が
こんなにいる。
実際、準備が不十分な人たちの
救出作業が幾度も起きていると、後でわかった。
正午あたり、山小屋のあるバッケンへ向かう
別れ道まで来た。
「10km先。」
プレイケストーレンで写真を撮ったら、
すぐここまで引き返してくるつもり。
さあ、「渋谷地帯」を何度も切り抜けて やっと眺めが爽快な場所までやって来た。
人の小ささに、 この景色の壮大さ! これがフィヨルドの勇ましい姿。 他の登山者の子に声をかけて お互いの写真を撮り合う。 その子に聞いた。 「この先も激混みだと思う?」 「この先はもっと道が狭くなるから、 更にすごいみたいだよ。 すぐ近くにプレイケストーレンあるんだけどね。」 やっぱり、 『ここは渋谷かっ?激混みプレイケストーレン。』状態。 いや、渋谷よりひどいかも知れない。。。 次回は、第9話「やめた!」 お楽しみに。
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